離婚後に支払われるべき子どもの養育費について

養育費の意味と義務

子どもを育てるためのお金が養育費であることは言うまでもありません。
「育てる」は子どもに関わる全ての事柄に関係します。
そのため、衣食住などの生活費や学校の教育費はもちろん、医療費や健全に遊ぶためのお金も含まれています。
養育費はどちらに親権があるかに関わらず全ての親に支払う義務があります。
ここで間違ってはいけないのは、養育費は別れた相手のためのものではなく、子どものためのものであるということ。
離婚する前と後で生活水準が変わってしまったら、子どもにとって悪い影響になることはあっても良い影響にはなり得ないでしょう。
ですから、最低限生活できるレベルのお金を支払うのではなく、婚姻時の生活水準を保てる程度の養育費の支払いが原則となります。
法律用語では「生活保持義務」と呼ばれています。
監護権を持っている親が監護権を持っていない親に養育費を請求することは、当然の権利なのです。
もし、非監護者が養育費を支払うことで生活に支障が出たとしても子どもには関係ありません。
余裕があるから払うものと考えている人も一部いるようですが、婚姻時の生活水準が保てる金額は身を削ってでも出さなければならないものなのです。
また、養育費は子どものためのものですので、ケースによっては子どもが直接養育費を請求することも可能です。

養育費の義務

養育費の金額はどうやって決めるの?

よく、海外のビッグスターが養育費として数億円払っている…などとワイドショーで騒がれたりしますが、あまり身近に感じる人はいないでしょう。
では我が国日本では離婚後の養育費をどのように決めているのでしょうか?
まず、基準として用いられることが多いのは、養育費算定表というものです。
これは各家庭の事情は考慮せずに、収入と子どもの数と年齢だけで「このくらい」という標準的な金額が明確に示された表です。
もちろん養育費はこれら要素だけで判断することはできませんから、表を用いないで算出する方式もありますが、統計では子ども1人で2~4万円程度と言われています。

養育費はいつまで払えばいいの?

実は養育費を支払わなければならない期間は法律で定められていません。
義務教育を終えれば義務外になるから養育費の支払いを終える、というパターンもあれば、
子どもが社会に出て一人立ちするまでは育てる義務があるとして大学卒業まで養育費を支払うパターンもあります。
それぞれの家庭によって事情は変わってきますし、生活環境もずっと一定という方が少ないでしょう。
離婚の際に、お互いにとって、また子どもにとって最適な養育費の支払いを取り決めておくべきです。
子どもが大人になるまでは法律的な問題なども多くなりがちですので、離婚時に信頼できる弁護士を見つけておくと良いでしょう。

養育費